南京虫(とこじらみ)のかゆさを知ってる現代人は少ないであろう(わたしは知っている)
ドン!
ドンドン!
この気持ち悪い写真は、わたしの手です。
南京虫に刺された。家ではありません、念のため。ある安宿での話。
ベッドに入って翌朝起きたら、なにやらかゆい。あれ、なんか変だな、蚊に刺されたかな?と最初は思った。
かゆいのは、手と足で、いずれも肌が露出していた部分。時間がたつと、だんだんかゆみが増してきた。狂ったように刺されていて、全部数えたら50か所ぐらいある。
「さすがに蚊にしては刺しすぎではないだろうか?」
そんな思いが頭によぎった。蚊にもいろんな性格があるから、やたらと好戦的なやつなんだろうか?などと、あほなことも考えたが、ともかく、数が多すぎる。
翌日になると、考えをまとめるのも難しいほど、かゆくなってきた。
アレルギー持ちの人が蕁麻疹になることってあるよね。みみずばれみたいになって。「かゆい、かゆい、かゆい」と言い続けて、見てるこっちもかゆくなる。あれって、こんな気持ちなんだろうか?と初めて理解するほど、頭の中が「かゆい、かゆい、かゆい」というワードでいっぱいになる。
経過観察のため、写真をとったが、1枚目はたしか、発症から1週間ぐらいたった時。はれていた部分が、水膨れ化した。取るのを忘れたけど、最初は、ただ赤く腫れあがるだけだった。2枚目の写真は、発症から2~3週間後で、水膨れがつぶれた後。こうなると、ようやく、かゆさも過去の思い出になっていくんだけど、それまでの数週間は、ずっとかゆいし、なにかものに当たるとかゆいだけじゃなくて痛かった。シャワーして熱いお湯に当たってもつらいし、人前で手を見せると、なにか危険な伝染病にでも感染してそうな勢いで奇異の目でみられること間違いなかった。
ネットで調べて、「安宿のベッドの南京虫ではないか?」と推測はしたけど、証拠はないし、南京虫に刺されたことがないから、その宿に泊まって2、3日は原因がわからなかった。ただ、間違いなく、夜ベッドに寝て朝起きると、かまれる箇所が増えた。そこで、手袋とか靴下はめて寝ると、防護できることもわかってきた。
そんなある日、「犯人」がわかった。ベッドの布団をめくると、こいつを発見したんだ。
写真をその時はとったけど、この前、スマホがいっぱいになったときに写真を全消ししちゃって、消えてしまった。この写真はネットで拾ったやつだけど、これとそっくりなやつが、ベッドの布団をめくると、足元の方に鎮座しておった。
見た時の気持ちは、こんな感じ(あくまでイメージです)。
〈目が飛び出る映像〉タコの目玉がビョーン!
ぎょえええええ!
恐怖ですよ。恐怖。
体長も意外とでかくて、1センチはないにしろ5ミリはあったと思う。肉眼でも、気持ち悪い形がよくわかるぐらい、でかかった。
速攻で、そいつは叩いて殺して、写メとって、宿の主に見せた。
何日も前から、わたしが痒がっていることは知っていたくせに、ようやく犯人の証拠を見せると、「本当にベッドにいたのか?」とぬかしてきた。
ここに、証拠の写真があるじゃんかよ?こんちくしょー!
そうすると、「いろんなお客が来るから、だれかが持ってきたのかも」と、過去の客に責任転嫁はじめてきた。
たしかに、客の誰かが運んできた可能性は高いと思うけど、ベッドを衛生的にしとけば起きない問題なんで、言い訳にしかならない。
高級ホテルだったら、訴訟もんだよ。
こんな投稿見つけた。ココカラさんの気持ち、わかるよぉ。
わたしが泊ったのは、素泊まり云千円の安宿。文句を言っても消耗するだけなんで、さっさと宿を変えた。主はその後、マットレスごと棄てたらしい。わたしもわたしで、旅行から家に帰る前に、リュックサックも服も全部コインランドリーで洗濯・消毒した。家に南京虫が発生したら、まじで、しゃれにならないから。
それ以降、蚊にさされるぐらい、ある意味へっちゃらになった。(ただ、南京虫は病気を媒介するってことは、あまりないらしい。その意味では、感染リスクでは蚊の方が危険かも)
現代日本では少なくなった虫だと思うけど、海外では結構普通にいるっぽい。日本にも海外から観光客最近すごいから、一緒に運んできてるケースもありそうで怖い。